映画とポップコーンの話
僕は友達がいないので一人で映画を観ることができる。
すごいだろう。誰か褒めろよ。褒めて欲しい。
基本的には誰も褒めてくれないので、僕は今日も一人で映画を観に行く。
一人映画の利点として、「ポップコーン独占状態」があげられる。
素晴らしいことだ。あの入れ物に入った白いもさもさ、全部自分のだ。隣に座ってる知り合いだかなんだかに「食べる?」って聞く必要もない。すごく嬉しくなる。
ただ、これにも問題はある。
口が乾くのである。適度な塩分とあのパサパサした食感がバキュームカーのごとく僕の口内の水分を奪って行くのだ。
そうなると、飲み物が欲しくなる。ただ、映画館の飲み物は高い。ポップコーンに関しては映画館の外で食べることはないので特に何も感じないが、飲み物に関してはやっぱり高く感じる。
で、ポップコーンだけ持って入る。終盤、一番いいところでメチャクチャに喉が乾いて、空の箱を握りしめる。
これを毎回やっている。何も学んでいない。
この前ふと思ったんだが、どちらが先なのだろう。
「ポップコーン売ったはいいけど客が飲み物欲しがるな......飲み物も売るか」
なのか
「飲み物売ったはいいけど客がツマミ欲しがるな......ポップコーンも売るか」
か。卵が先か鶏が先かみたいな話だ。
頭が痛くなってきた。今日はおしまい。