『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』を観た話
初めてこの映画の存在を知ったのは、youtubeの広告か何かだったと思う。
一目で「これは絶対面白いぞ」と思ったのを覚えている。
で、つい先週、観に行ってきた。
メチャメチャ面白かった。なんというか、期待を裏切らない面白さだった。
内容的には、イタリアの賢い人がやってる『オーシャンズ11』とか、『ブレイキング・バッド』だと思ってもらって差し支えない。物語も終始そういうテンションで進行する。
まあ、細かいあらすじは公式HPで見て欲しい。あんまり参考にならないから。
で、何がいいって、イタリア人がいい。
あいつら、とにかくうるさいのだ。普通に喋っても早口ですごい情報量をいっぺんにまくし立てるし、何より身振り手振りが死ぬほどうるさい。
冴えない中年男性二人が話しているだけのシーンでも、画面が地味にならない。とにかくうるさいから。
最初はそのあまりの情報量の多さに脳味噌がやられるが、だんだん慣れてくるとその状態が心地よくなってくる。
不思議と、やかましいイタリア人が愛おしく思えてくるのだ。
そうなったらもうおしまいである。何しろこの映画、出演者は全員イタリア人だ。
しかもメインを張る10人は、ウダツの上がらない中年男性と来ている。
もうね、みんなかわいい。
いくらヒゲ面のブ男だろうと、着ている服がヨレヨレだろうと、デブだろうと、一挙手一投足がダサかろうと、とにかくかわいい。かわいく見えてしまうのだ。
で、そんなかわいい中年男性どもが、10人もいるのだ。
興奮しないわけがないだろ。いい加減にしろ。
僕の推しは古典考古学者とラテン碑銘学者と解釈論的記号学者の仲良しトリオだ。
この3人は中でも冴えない。一番トラブルメイカーしてるし、いつも一緒にいるからトリオ感がすごい。
それでも中盤〜後半にかけての見せ場がすごい。今回の仕事は理系の皆さんがメインになりがちな分、予想できない方面でしっかりと活躍してくれるから観て欲しい。
つまり、何が言いたかったかというと、ストーリーは追えなくても楽しい。
多種多様なポスドクのおっちゃん達がわちゃわちゃしてるのを見るだけでチケット代の元はとれている。だからみんな観に行ってくれ。
そして、これの続編にして三部作の最終章(実は本作は三部作の二作目である)を日本で公開させてくれ。頼んだぞ。